【教育機関】:専門学校 グラフィックデザイン科 教員
卒業後の実務に必須のスキル
到達目標となる学習ツールとして
ACAを活用
本校は、「電子技術を核とした技術者の育成を通して世界に貢献する」という建学の精神のもと、1951年の創立から現在までに約11万人の卒業生を輩出してきた専修学校です。創立時より、エレクトロニクス分野の“スペシャリスト教育”に重きをおき、エンジニアやクリエイターを育成する24の学科(うち、夜間部4学科)を設置しています。
すべての学科が、「自分が進む分野に関連する目標資格を、在学中に取得すること」をカリキュラムポリシーのひとつとして掲げており、ACAはグラフィックデザイン科の授業で2014年度から組み入れています。
AdobeのPhotoshopやIllustratorは日々の授業ではもちろん、就活用のポートフォリオ作成にも使いますし、卒業後にクリエイターとして実務を進めていくうえでは、これらのグラフィック系のアプリケーションを使いこなすオペレーションスキルは必須です。よって、入学してすぐの1年生の前期に学ぶ「デザインの基礎」で、色彩学やレイアウトの基礎やデッサンなどと併せて、Adobeアプリを学ぶ科目を設けています。
この授業のなかでACAを関連づけていますが、ACAは基礎から応用までの内容が網羅されているので順序立てて指導できますし、操作スキルだけに特化することなく知識面も学べる点が、初心者の学生にもわかりやすいようです。
デザイン作業に不可欠なAdobeアプリを学ぶということもあって、以前から学生の学習意欲の高い授業なのですが、近年は、放課後に自習室に残って試験勉強に取り組む学生を見る機会も増えるなど、ACAという資格を取得目標にすることで、より一層の学習モチベーションの高さにつながったように思います。
また、最近の傾向として、高校の授業や趣味でイラストを描くために入学前に独学でPhotoshopやIllustratorに触れたことのある学生も増えつつありますが、なかには、本科が目指すグラフィックデザイナーとしての正しい使い方でないケースも見受けられます。そんな学生も、ACA取得の勉強を通じて適正なやり方が身につきますし、さらには、一人ひとりバラつきのあった入学時のAdobeアプリの利用スキルの標準化にも役立っています。
資格を取得することは、最終目標ではなくクリエイターとして表現するための手段のひとつです。とは言え、Adobeアプリがクリエイティブ表現のツールとして定着するなか、就職後にデザインの仕事をしていくための土台となるスキルの構築に、ACAは有意義だと思いますし、授業の成果を測る到達目標としても有効です。資格の勉強を通じていろいろなことができるようになることで、充実した学園生活を過ごすことはもとより、ACA取得を自信に就活や将来のクリエイターとしての活躍につなげてもらいたいと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は、2016年8月取材時のものです。
※2021年6月より資格名称が「アドビ認定プロフェッショナル」に変更になりました。
グラフィックデザイン科は、紙媒体をはじめ、デジタルサイネージ、電子書籍、「UI/UX」関連科目など、社会ニーズに合わせたカリキュラムを特徴としています。